<生分解性>両親媒性ポリマー 「タキラール®」
ポリエチレングリコール系ポリマー
1.種類と物性
品種 | 外観 | 平均分子量 | 融点(℃) | ガラス転移温度(℃) | 膨潤度 |
---|---|---|---|---|---|
EL-40 | 粉末 | 10,000 | 114 | -12 | 0.8 |
EL-80 | ワックス | 6,000 | 35 | -2 | 溶解 |
EDL-50 | ワックス | 10,000 | 30 | -6 | 1.7 |
*)膨潤度;蒸留水(37℃)中での吸水重量比。
【略号】
E:ポリエチレングリコール
L:(L)ラクチド、DL:(DL)ラクチド
EL-80 | ポリエチレングリコール・(L)ラクチド共重合体、 80:エチレンオキシド含量80mol% |
---|---|
EDL-50 | ポリエチレングリコール・(DL)ラクチド共重合体、 50:エチレンオキシド含量50mol% |
2.構造式

3.特徴・性状
- ポリエチレングリコール系ポリマーは親水性が付与された生分解性ポリマーである。
- ポリマー中のエチレンオキシド含量が増加するにしたがって親水性が増し、水に膨潤する。両親媒性ポリマーであり、エチレンオキシド含量70%以上では水溶性を示し、また界面活性剤としての作用も有する。
- ELシリーズは粉末状から常温で軟化、液状化するものまで性状が変化し、他の薬剤等との混合が容易である。また、親水性薬剤との親和性にも優れており、徐放性薬剤の担体として適している。
- 分解に伴って表面から溶解する。
- 分解性に優れたポリマーとして、ラクチドのラセミ体を使用したEDLシリーズがある。
- 使用目的に応じて、機械的物性および分解速度を制御できる。
4.用途
外科用補綴材料、外科用移植片
DDS用担体等の医療用材料
その他
5.分解性;37℃、リン酸緩衝生理食塩水での浸漬試験

6.溶解性
クロロホルム、アセトン、塩化メチレンに可溶
メタノール、エーテルに不溶
組成により水に溶解する。